更年期障害がおこる原因は、カラダとココロの変化の総合的なものですが、なかでも特徴的なのが卵巣の衰えによる女性ホルモンの低下です。
女性ホルモンが出る仕組みは、脳が卵巣に「ホルモンを出して」と指令を出すところから始まります。指令を受けた卵巣は、女性ホルモンを分泌。更年期の卵巣は女性ホルモンの分泌量が低下しているので、焦った脳はさらに指令を出します。この脳からの分泌が暴走して、異常高値になることがホットフラッシュの原因の一つと言われています。
前段では、卵巣の衰え=女性ホルモンの低下であることを説明しました。
ホルモンはピタッとはまるレセプターにくっつくことで、様々な働きをはじめます。
ホルモンをカギ、レセプターをカギ穴、扉が開く=身体が正常に機能する。と例えてみるとイメージがつきやすいと思います。
このレセプターは、脳にも骨にも、血管や皮膚、肝臓の中にも…カラダ中のいろんな場所にあります、女性ホルモンが低下してレセプターと結合できない。これが、複数のさまざまな症状が起こってしまう原因です。
私たちのカラダは、色々な臓器が働いて日常の生活を送っています。なかでも心臓や肺などは、とても強く私たちが生きている間は休まずに動き続けてくれます。それとは真逆に卵巣は臓器のなかで一番ナイーブで短命。卵巣が寿命(閉経)を迎え役割を終え、20年ほどたった卵巣をレントゲンで見ると、ヒモのように細く小さくなっているのがわかります。
漢方や薬膳の考え方のベースになっている、中医学の視点から更年期障害の原因を1つ解説します。
世界最古の医学書と言われている黄帝内経では「女性のカラダは、7の倍数の年齢ごとに変化する」といわれており、7の倍数の49歳は、“腎虚”といわれ生殖機能がだんだん衰えていく時期ともピッタリ重なります。