更年期障害の治療法はどんな種類があるの?
更年期障害の治療法は、減少した女性ホルモンを補うホルモン補充療法(HRT)、生薬を患者さんに合わせて処方する漢方治療が2大柱になっています。また、不眠症状に睡眠導入剤、不安症状に抗不安薬などの抗精神病薬を併用することもあります。
その他には代替医療もおすすめです。代替医療の中には理学療法、鍼灸治療などがあります。更年期は筋力の衰えもいろいろと問題になるのですが、筋力低下を抑える筋トレの指導や、背骨・骨盤など骨格を調整し、ケアしていくのが理学療法。鍼灸の場合はツボ・経絡をはり・お灸で治療し身体全体を整えていく感じですね。
最近では、女性ホルモンに似た働きをするエクオールというイソフラボンの代謝産物を含むサプリメントも発売されていたり、プラセンタによる治療など、様々なものがあります。
治療法は自分で好きなものを選べますが、まずは先生に相談するのがよいと思います。漢方が合いそうな方やホルモン治療からのスタートがよさそうな方もいれば、ホルモン治療は実施できない方もいたりします。
更年期症状は、様々な種類のものがでてきます。ひとつの症状を治したら、別の症状がでてきた…といったこともあります。様々な対処法を持っている、知っているということはとても重要なことです。
〈まめ知識〉セルフケア自律訓練法
更年期障害に有効なセルフケアには様々なものがあります。
食事の見直し、生活スタイルの見直しも重要ですし、運動で改善することも多くあります。ここではすべてをご紹介することはできないので、今回は自律神経訓練法と呼ばれるセルフケアをご紹介します。
自律神経とは、暑い時には汗をかく、走ると心臓がバクバクするなど、身体が状態に応じて自然に反応する時に働く神経です。更年期にはこの神経の働きがうまくできなくなることがあり、それを「自律神経失調症」と呼びます。
本来自然と機能していたことができなくなる。その理由の1つは、現代人のライフスタイルと関係しているといわれます。暑いと冷房、移動は歩かないで車、昼夜逆転などなど。いわば、冷蔵庫の中で冷やされたフルーツのごとく、なるべく変化しないように温存された状態の身体は、機能が鈍ってしまうのです。
涼しいはずなのに大汗をかく、ほてる、などの症状は、女性ホルモンの低下で起こるほか、自律神経失調でもおこり、訓練法が効果的であるといわれているのです。
自律神経訓練法
静かで落ち着ける場所で、椅子に座り目を閉じる。(仰向けに寝た状態でおこなうと効果的です)
以下の7項目を唱え、その様な状態になるよう気持ちを向けます。
※気温は暑くも寒くもないところが良いでしょう
①気持ちがとても落ち着いている
②手足が重い
③手足が温かい
④心臓が静かに打っている
⑤呼吸が楽になっている
⑥お腹が温かい
⑦額が涼しい
消去動作
※必ずおこなってください
①手足が軽い
②手足の温かさがひいてくる
③お腹の温かさがひいてくる
④額の涼しさがひいてくる
⑤気持ちがとても落ちついている
以上を1回5分以内で1日2~3回おこなってみてください。慣れないうちは難しいですが、繰り返しおこなうとだんだんと感じ方が変わってくることが実感できます。